【初心者さん向けの洋裁知識 綿生地編】
   ピマコットンって何?
   ローン、ブロード、シーチングの違いって何?



まずは「綿とは?」から説明いたします。



綿はメンとかワタとか呼びます。
英語ではコットン。

ワタやコットンとは、そもそも植物のことですよね。


綿を販売している店長としては
『綿を理解するためには綿を自分で育てるしかない!』と、
何を考えたのか、種を購入して育ててみました。


まずはみなさま、ここからお付き合いください。




初心者が突然に種を購入して、5月に種を植えました。
農薬も使わない完全なる無農薬オーガニックな育て方です。
少し虫にも食われています。

芽が出てからなかなか大きくならず、
この写真は7月11日に撮影しました。





植木鉢に植えた苗はなかなか大きく育ちません。
私の育て方も悪いのでしょうが…
露地植えの綿はぐんぐんと育っています。

同じく7月11日に撮影したものです。







8月から花が咲き始めました。
とてもかわいらしい白やピンクの花が咲きます。
ハイビスカスに似ています。











花が咲いた後には
この様な果実が次々とできます。

これがコットンボールですね。
この写真は9月21日に撮影しました。







とっても立派なコットンボールでしょ!!







だんだんとコットンボールの色が変わってきます。







いよいよコットンボールがはじけました!
中から白い綿(ワタ)が現れました。
感動の瞬間ですよ!!







完全にワタが現れました。
これは11月に撮影しました。

ちょっと雨に打たれちゃったので、
ワタの表面が少し硬くなってしまいました…





大変長い前振りとなりました。
失礼いたしました。




コットンボール
手塩にかけて(?)育てたこのコットンボール。
ちょっとおしゃれに撮影してみました。

フェリダが育てたコットンは観賞用で
実際に綿生地に加工される綿とはちょっと品種が違うかとは思います。




わかり易い様に、黒い紙の上にコットンボールを置きました。
白い繊維部分を手で広げてます。




拡大です。

この白い部分がいわゆる『木綿』と呼ばれる綿生地の原材料ですね。
綿の種のまわりにこの白い繊維がくっついていて、
収穫後、これらの木綿部分を取り出します。






ピマコットンって何?



綿花の品質は、この白い繊維
一本一本の長さによって分類されます。

21mm以下  短繊維綿
中間の長さ  中繊維綿
28mm以上  長繊維綿


特に高級なコットンを
『超長綿』(ちょうちょうめん)と言います。
一本の長さが35mmを超える品種の木綿です。

有名な品種が、
エジプト綿ペルー原産のピマコットンなど。

ちなみにART GALLERY FABRICSの生地は
何が優れているかというと
この高級なピマコットンを100%使用している
ということです。


アメリカは世界でも有数の綿産地ですが、
ピマコットンは
アメリカ全体の約3%しか生産されていません。
だからとても高価で貴重な綿でもあるのです。




超長綿で織った生地は、肌触りがよく、
光沢のある生地に仕上がります。
そもそも、なぜ一本の繊維が長い方が
高級な仕上がりになるのでしょうか?


一本一本の繊維が長いということは、
糸にしたときに表面から飛び出す繊維の先端部分も
少なくなるということを意味します。
つまり、シルクの様に肌触りがよく、摩擦などに強く、
形が崩れにくくなるのです。








尚、スーピマ綿(Supima)という言葉も最近よく耳にしますが
これはPimaとsuperior(優れたという意味)を
合わせた造語だそうです。
アメリカには「スーピマ協会」という組織があり、
この組織が
『これは間違いなくアメリカで育てたピマコットンですよ』と
保証しているピマコットンのことを特に
スーピマと呼ぶのだそうです。



例えれば、
海外品種のカボチャを日本で栽培して
日本カボチャ協会がスーカボチャと命名し
「国産スーカボチャで間違いありません」
と保証する…といった具合でしょうか。

よくわからないたとえでごめんなさい。









コットンボールから収穫した綿は
生地に加工される前に、まずはになります。
そして経糸(たていと)横糸(よこいと)となって織られ
いよいよ生地となるわけです。

これらの加工の段階では
当然、糸を紡ぐ際の撚り(より)とか、糸の太さとか、
織り方とかがそれぞれ違ってきます。
そういう要素によって完成した生地の厚みや肌触り、光沢など
変わってくるのです。

生地の繊細さは、
綿花の品種や産地、加工方法など様々な要素によって、
違いが出てくるのですね。





綿を扱うショップの店長としては
この糸を紡いだり生地を織ったりする作業も
体験してみたいのですが
現在はまだ実行に移せていません…

体験した場合はまたレポートさせていただきますね。







ローン、ブロード、シーチングの違いって何?



さて、大変大変お待たせいたしました。
いよいよ本題へ。


ART GALLERY FABRICSの生地はブロードですと
お客様からの生地の厚みなど尋ねられる場合には
そう答えております。

ではブロードってどんな生地?

初心者の方はこの説明では
厚みが頭に浮かばないかと思われます。



ネットショップを運営していて
もっとも回答に困るご質問の一つが、
この「厚み」の問題なのですね。


ブロードとはアメリカで呼ばれている名前で
ヨーロッパではポプリンと呼ばれています。

説明書などを読むと
「40番から60番手くらいの糸で
緻密に織られている平織の織物生地」
というような内容が書かれていると思います。

糸や織り方についても、
そのうちに説明ページを作りたいと思いますが
もうちょっとお待ちください。

尚、このページはあくまでも
初心者さん向けの説明なので
難しい説明は割愛したいと思います。





ブロード生地は、ワイシャツなどの
シャツ類に使用される生地
といえば
もっともわかり易いかと思います。


ブロード生地とよく比較されるのが
ローンやシーチングなどのプリント生地です。




ローンとはよくハンカチなどに
使用される薄い生地です。


できればお手元に
「典型的なハンカチとワイシャツ」を用意して
触って比較してみてください。

ハンカチの生地の方が薄くて少し透け感がありませんか。
ワイシャツの生地の方が少し厚みがあり、
ハンカチほどの透け感はないはずです。
でもって、ワイシャツの生地でハンカチに加工するには、
ちょっと生地が厚すぎますよね?


ローン生地は細い糸番手で織られており、
そのさらっとした薄い透け感が特徴で
ハンカチ、ブラウス、ワンピース、
チュニックなどに向いている生地になります。


ブロード生地の方がローン生地より厚くなります。
そのためワイシャツやブラウス、ワンピース、
チュニックなどの洋服はもちろん
パジャマ、エプロン、カバンなどの雑貨などにも
幅広くご使用いただけます。





ではシーチングは?


シーチングは粗く織られた安価な綿生地という印象を持つ方
多いのではないでしょうか。
実際、フェリダ店長もそう思っておりました。

もちろん質の良いシーチング生地もあります!
質についてはどの種類も同様に「価格と比例」するものでしょう!

ですが、ブロードより太い糸で、
ブロードより粗い目で織られているので
生地の厚みはブロードより厚くなります。

ただ粗い分、針が通りやすいため、
洋裁初心者さんには扱いやすい生地になります。

そしてシーチングは仮縫い用として使われることも多く、
実際に着用する衣類には不向きの生地です。

カバンなどの雑貨用に使用するといいと思います。





ローン、ブロード、シーチング 
お値段的にはどうでしょうか?



ローンがもっとも高く、次にブロード、そしてシーチングの順に
安くなっていくと考えて良いでしょう。

もちろん質の悪いローン生地より質の良いブロード生地の方が
高額なんてこともあるでしょうね。













最後に、綿生地の特徴について



コットンは天然素材の王様!!


化学繊維の方が安くて扱いやすい!なんて方も
多いかもしれませんが、
天然素材だからこその肌触りの良さがあって、
慣れたらやめられない素材でもあるのです!

食でいえば、天然の調味料と化学調味料の違いでしょうか?
ちょっと違うかも…?(笑)


吸湿性
吸汗性
保温性
耐久性
通気性
などに優れ

洗濯や熱に強く、

染料に染まりやすいので色味がきれい

などなど
たくさんの利点があるのです。



しかし欠点としては
シワがつきやすいのが難点。
アイロンは必須です。

そして色落ちしやすく
(色落ち防止加工されているものも多いですが
絶対に色落ちしないとは言い難いのです)
縮み易いのも難点です。
(こちらも品質の良いものはほとんど縮みはみられませんが
まったく縮まないとも言えません)


安価な綿生地を使用するときは特に
使用前に水通ししておくことをお勧めします。

水通しの仕方についてはこちらで説明しております。